少しでも願った
これで、彼等が帰ってくれればと
僅かでも、穏やかな時間が続けばと

しかし今、互いがいるのは戦場
その戦場に響くのは
アスランの痛々しい程の叫びではなく
少女の悲痛な願い

だが、何故彼らが此処にいる…?
帰れと言ったのに
帰って欲しいと願ったのに

今、この身を包む感情は絶望

「君はカガリの守りたいモノを撃とうって言うの?!」

―言っている意味が分からない―

「カガリは今、泣いてるんだ!!」

―何を言っている―

「なら、僕は君を撃つ!!」

―そう、か…―

それは『もう、君は要らない』と言われたと同じように
アスランには聞こえただろう





















































『ドラッグ〜\〜』



















































バラバラにされた自分の機体
地球の重力に逆らわずに落ちてゆく感覚にアスランは
糸のように細くても、まだ繋がれていた『絆』と呼べるものが確かに千切れる音が聞こえた

彼等はアスランをイラナイモノと判断したのだろうか
仲間ではないと判断したのだろうか

命は奪わなかったのだから。と言っても
彼等は殺さずを高らかに語っている
だから、アスランだから殺さなかったのではなく、殺さずは彼等の理念であり
仲間とか親友だからとかは、一切関係ないと言ってもいいのだろう

そう、彼等は殺してはいないが
確かに彼を想いを排除したのだ

自分達は正しいと信じ
誰とも話し合わず
ただ、自分達での判断で…

此処はA.Aに乗っている者達の言うとおりに『議長は信用に値しない人物で間違っている』としよう
しかし、なら何故、彼等は話し合うことはないのだろうか
自分の身が危険だから?
信用しておらず、プラントに絶望しているから?

だが、それではA.Aのしている事は全世界の人々はテロにしか見えず
市民は余計に議長を支持するだろう

あの少女の言葉を使うならば
これで最後は平和になるのだろうか?
最初から力を手にし、力を見せ付けている
それで、市民の何人がA.Aのやっている事に共感してくれるだろうか?

答えは否

誰も共感など出来ない
誰もが自分を助けてくれた
言葉で自分の意思を伝える者に共感を覚えるのだ
力を見せるだけでは市民の共感は得る事は出来ない

機体が海に落ちる音と、それによって掛かる重力
アスランはグッと唇を噛み締めるが、それで重力から解消される訳ではない
噛み締めた唇から微かに鉄の味を感じ、恐らく唇の皮膚が破れてしまったのだろう
チリチリと痛む筈の感覚も、今の胸の痛みに比べたら
それは痛みと感じられない
それよりも、死んでしまうのではないか、と思ってしまう程に胸が痛んだ

痛い

いたい

クルシイ…

そこで、アスランの意識は途切れ
手首の傷の痛みが蘇る、疼く

頭の中で誰かの声が聞こえる
―また切ったら楽になれる―と
―また薬を使用したら楽になれる―と
誰かが囁いている

それは誰の囁き?
自分の弱い心…?

それとも…

悪魔の甘い囁き…?







































それから目が覚めて見た光景は、消毒液の香りが漂う医務室の天井
服は、濡れてしまったのだろうか
パイロットスーツではなく、ステラが着ていたのと同じ
薄水色の患者服

アスランは大きく息を吐いても、胸の中につっかえるような感覚は解消されず
ただ、胸の痛みが増した
何も出来なかった
何も伝わらなかった

何一つ…

だが、アスランは自嘲的な笑みを漏らし
自分の手を見つめた

自分の思いは彼等に伝わらなかった
そして
彼等の思いも自分に伝わってはいない

どんなに一緒にいても人間は別の生き物であり
全て、同じ考えと言うわけには行かない
どんなに、一緒にいたとしても
どんなに、気が合うとしても
やはり、人間の考えが全て一緒になる事は有り得ない事であり
アスランはそれを実感してしまったのだ

どんな悲痛な叫びも届かない、聞こえない
それは自分も同じで届かない、聞こえない

そして、此処に戻って力を手に入れても
また守れなかった…
仲間を失った…

繰り返したくはなかったのに
繰り返さないようにとしていた筈なのに

結局は繰り返してしまった
それは無力な自分のせい…

「……………っっ…」

流れそうになる涙を堪え、アスランは大きく深呼吸をすると
ベッドの横で仕切りの為に閉じられているカーテンを開き
表情は何時ものままに立ち上がった

「……もう、大丈夫なのか?」

「えぇ、ご迷惑を掛けてすみませんでした」

「まだ、寝ていてもいいんだぞ?」

「いえ、私はこれで失礼します
あ、コレは…」

「ん、あぁ…後で持ってきてくれ
こっちで洗っておくから」

「はい、分かりました…失礼します…」




医務室を後にしたアスランは、着替えようと自分の部屋へと足を進めるが、気分は晴れない
それどころか、先程の声が再び聞こえてくるのだ

『また切ったら楽になれる』

『薬は使わないのか?』

『少しでも楽になりたいだろう』

誘惑を囁く声はどんどん強さを増し
頭痛がするほどに煩い
そんな声に意識が呑まれてしまいそうになるのを懸命に振り切ろうとするが、心は揺れている

つい先程まで穏やかだった
つい先程まで安定していた
つい先程まで…は…

そう、つい先程までは安定していたのだ
ステラという少女でシンも辛い筈なのに
アスランを気遣い、心配している

アスランを送っている途中でまた、戻ってしまったのは
彼なりの照れ隠し
いい意味でも
悪い意味でも真っ直ぐな彼の性格は、アスランをほかっておく事など出来なかったのだろう

そして、そんなシンと一緒にいてアスランが少しでも安定していたのは不思議ではない
裏のない言葉に安心出来るのだ
不器用だが真っ直ぐな心に安心出来たのだ

しかし、それでアスランが完全に安定を取り戻したわけではなかった
たったひと時の安心
得られたのはそれだけなのだろう
実際、今のアスランは揺れている
『死』を望んでいる訳ではない
しかし…
今は『生』を望む事も出来なくなってきているのだ

此処にいたいのではない
いたいのは此処ではない…
いっそ、全てを投げ出して逃げる事が出来るのであれば、どんなに楽なのだろうか
此処もA.Aも戦争も…全て投げ出せれば、楽になれるだろう

しかし、それはアスランの性格が許さなかった
どんなに辛くても指定された場所に立って
誰にも心配や迷惑は掛けない
辛い事は自分の中で……

全て自分の中に押し込めてしまえば、誰もが嫌な気分を味わう事もないだろう

アスランは自室に入ると鍵も掛けずに、ドアの前で崩れるように膝を付いた
誰もいない、真っ暗な部屋
慣れていた筈なのに
今更、無性に孤独を意識してしまうのだ

誰もいない
傍に居て欲しい人はいない…部屋…場所…

『にしてもお前って根っからの優等生だよな
自分よりも廻り
全ての調和を大切にする
…少しは自分の事も大切にしてやれ
我が儘を言ったっていい
泣きたきゃ大声で泣け
縋りたきゃ縋れ
じゃなきゃお前が壊れるぜ?』

『今だったら誰も見ちゃいない
だから我慢すんな
今の内に吐き出しちまえ
誰も…俺も見てない
聞いてないから』


―ハイネっっ―


『貴様一人くらい俺が何とか出来ないわけないだろう
だから変な考えは捨てて今は此処にいて自分の事や他にも考える事は色々あるだろう
だから余計な事は気にするな…』

『あぁ…アスラン、もし戻ってどうしても耐えられなくなったら我慢するな
例え、軍から離れる事態までなったとしても俺はお前を裏切ったりはしない…
此処にお前を縛り付ける気も無い
お前はお前のままでいい
お前が思うままに行動しろ…』


―イザークっっっ―


傍に居て欲しいのに
この気持ちを理解して欲しいのに
自分は間違ってないと言って欲しいのに

傍にいてくれないじゃないか…っっ

違う
離れたのは自分だ
あの時も
今も…

断ろうと思えば
断る勇気さえあれば
その願いは簡単にかなってしまう

けれど、それに気付くのが遅すぎたのだ
今更、言えない
今更、イザークの所が良いなど言えないのだ

簡単に手に入る居場所
しかし、それを許さなかったのはアスラン

此処まで自分を追い詰めたのは…
誰でもない自分自身…














気が付けばアスランが手にしていたのは悪魔の薬
購入しようと思えば簡単に手に入ってしまうのがドラッグだ
ネットに繋げる環境であればネットで購入する事も
街に滞在している時に裏道にいちいち入らなくても堂々と売られているものである

それをまた手にしてしまった
使うわけではなかった
ただ、自分への戒めの為の筈だった

その筈だった

聞く人が聞けばそれは弱い人間なのだと罵るのだろうか
頭が可笑しいと軽蔑するのだろうか?
だが、そんな事は考えていられないのだ

精神が悲鳴を上げている
どうしろと言うのだ?
他に何処に逃げればいいと言うのだ
だって此処にはいない
逃げたい、縋りたい人が此処にはいない

ならば、戦えと言うのか?
どうやって?
何と?
自分と?
一人で?
もう戦って戦って戦って…
どうしようもないというのに、まだ戦えを言うのか?

それは当事者から聞けば
壊れてしまえ
お前は生きている価値もない
と、そう言っているのと同じように聞こえるのだろう

ドラッグは砂糖のように白い粉を炎で炙り
ゆらゆらと揺れる、クリームのように滑らかな煙を吸うだけ

確かに錠剤のようなタイプや切手のような形のもの
これもよく知られている注射器で自分の身体へ直接、注入する手もあるが
アスランが使用しているのは、粉のタイプと錠剤のタイプの二つであった

そして、今日使用しているのは粉のタイプの物
何故?と聞かれても答えはない
使用するタイプなんてその日の気分で決まってしまうものだろう
確かに人によっては、アレが好みだ
コレの方が好みだ、と言う者はいるだろう
しかし、アスランにそういった好みなど無かった
薬による快楽が欲しいのではない
痛みを無くしたいだけなのだ

ゆらゆら

ユラユラ

煙を肺まで一気に吸った瞬間
背筋や首筋がひんやりと冷たくなる感覚と
鳥肌が立つ時にも似た感覚

だが、その瞬間に思い出された顔














―イザーク…―














「っっ…ぁ…ごほっ・・・こほっ……かはっっ」

例え、どんなに月日が経とうとも身体が…脳がその快楽を覚えているのだ
それは偽りの快楽

しかし、それでも
それに縋るまでに追い詰められる人間がいるのは事実である

アスランは、使用した薬が入っていた小さなビニール袋とビンをゴミ箱へほおり投げた
何処でビンをどのビンを持ってきたのか覚えては居ない
ただ、気が付いたら…やっていた

アスランは妙に軽くなった身体で洗面室へと足を進めると
頭を…いや、正確には靄が掛かったかのような心を洗い流そうとするかのように、冷水で顔を洗い
鏡に写る自分を見るが
顔色は青褪め、微かに目が腫れて赤くなってしまっている

まるで病人のようだ
とアスランは苦笑を漏らすが、それは間違いではない事もアスランは自覚していた

フ、と目に入った剃刀
あの時、自分の手首を切った時のものだろう
本来ならばそういったモノはシンがアスランから遠ざけていそうなのだが
あれから、休む暇もなく今回の戦闘が始まった
悪く言えばシンだけではないアスランを見た軍医までもが
その忙しさにより忘れていたのだ

アスランは手首に手をやると、まだ巻かれている包帯をゆっくりと解き
その傷に見入っていた

傷口も固まり、かさぶたになっているソレを撫でると
傷と剃刀を交互に見つめ




クスリ―っと笑った




アスランは洗面室の鏡の前で、再び手首を…
いや、手首だけではない
今度は腕を切っていた

前回など比べモノにならない程に傷を付け
傷はクロスを描くように付けられていく

―ポタッ…ポタタッッ―

腕を伝い、流れる血にアスランは
微かに浮かべていた笑みに更に深い笑みを浮かべ
流れ落ちゆく血を眺めていた




「…すみません、少しよろしいですか?………っアスラン!!!」

「……………レ、イ……?」

「何を…っ取り合えず止血を……」

その後のレイの行動は迅速で的確であった
アスランを洗面室からベッドまで連れて来ると、タオルで止血をし
ベッドに横にさせると、これ以上、血が出ないようにと少し腕を上に上げさせている

本来ならば、医務室へ連れて行くか
医務室から救急セットを持ってきて消毒をするのがベストなのだが
連れて行く途中で錯乱状態に陥り、暴れるかもしれない
離れている間にまたするかもしれない
それを考えると、最低限の手当てしか今は出来ないのだ

「レイー、アスランさん…は…」

レイに続いてシンがアスランの部屋に顔を覗かせるが
その部屋の異様な雰囲気を感じ取ったのだろう
いや、感じれない方がおかしいのかもしれない
微かに血の臭いがし、薄暗い部屋の中へ視線を向ければ
ベッドの横でアスランの腕を支えているレイに
ベッドで横たわっているアスラン

僅かに赤く滲んだタオルにシンは、その場の状況を理解したのだろう
すぐに、部屋のドアを閉め鍵をロックしたのだ

「アスランさん………」

「シン、悪いが医務室から救急セットを持ってきてくれ」

「分かっ……」

「……………ない…」

「え?」

「必要、ない…」

今まで、大人しくしていたアスランの手がピクリ―と動くと
届くか、届かないか、という程に小さな声で呟かれた言葉に動きを止めたのはシンだけではない
横にいたレイもアスランの言動に動きが止まっていた

だが、此処で無理をして治療しても逆効果だろう
レイはシンに向かって頷くと再び、アスランへと視線を戻した
簡単に見た限りでは縫う程の傷は見当たらず、少しづつだが
血も止まり始めている
ばい菌の感染もあるが、此処はアスランの気持ちを優先しなくてはならないように思えたのだ
何時ものアスランからは想像出来ない程に虚ろな瞳でどこかを見ており
優しそうな雰囲気も今は姿を隠して痛々しいとしか言い様がない

そしてシン達はアスランが再び、薬を使用していた事を知らない
いや、アスランが前にも薬を使用していたなど、信じないだろう

命を大切に
甘いと思うくらいに命の大切さ
力だけでは何も得られないと言っていたアスランしか知らないシン達にとって
アスランがそんな法に触れるような薬を使用していたなど、夢にも思わないのだろう

それ故にこんなに弱って
自分を痛めつけているアスランに戸惑ってしまうのだ

「必要ない…治療なんて必要…ない…」

「分かりました」

「………俺みたいな人間に治療なんて必要ない…」

「何…何、言ってんですか?!」

「こんな役立たず…」

「何言ってるんですか?!
アスランさんは…っ」

「お前だって見ただろう?!
俺が無残にフリーダムに落とされる所を!!
あいつらにとってもう、俺は必要のない人間なんだ!!
あいつらに説得も出来ない!!
理解もされない

それに…

ハイネを殺したのは俺だって言ってもいい!!」

「悪いのはあいつ等じゃないですか!!」

「あいつらは俺の知り合いだ
ハイネが死ぬ時は傍にもいた!!
それなのに、止められなかった!!
ただ、見てただけなんだ!!

ハイネだけじゃない…

ニコルやミゲルだって……!!!」

―俺は傍にいたのに!!!―

シンやレイにとってアスランは
普段は常に冷静に周りを見て、怒鳴る事など数える程しか知らない
怒鳴る、と言ってもシンが作戦に不真面目な態度を取ったり
命令違反をした時くらいだろうか…

そのアスランが我を忘れて、涙を流している
どんなに冷静に、と心掛けていても
あの出来事はアスランに我を忘れさせる程に衝撃的だったのかもしれない
常に回りを気遣っていた
それがプツっと切れてしまったかのように泣き叫び
自ら傷つけた腕を握り締めている

「レイ…これアスランさんに飲ませて…
前に軍医にもらった精神安定剤だから…」

「分かった
アスラン、薬を飲んで下さい」

「………っぁ…く………ぅ」

軍医から前にもらっていた薬をシンは机の上にあるのを見つけると
それをレイに渡しアスランに飲ませた

レイは半ば、無理矢理に飲ませ
アスランに少しでも落ち着きを取り戻させる
薬は即効性ではないが、それでも何も与えないよりはマシなのだろう

使われている気配の無い薬にシンは軽く苛立ちを覚えたのかもしれない
軽く舌打ちをすると自分の不甲斐無さに唇を噛み締めた

確かにずっと一緒に居たわけではないのだから
シンが責任を感じる必要性はないだろう
だが、事情を知っていたのは軍医とシンのみ
擦れ違った時にでも「薬は飲んだのか?」
その一言でもあればこんな事態は避けられていたのかもしれない

しかし、シンは考える
誰がアスランを此処までにした
確かに自分も原因の一つかもしれない
だが、それでも普通に接してくれていた
自分は…

「っ…なんで…なんでだ…キラ……っっ」

―キラ―
シンはその名前をどこかで聞いた事がある名前だが
今、気にする点はそこではない
アスランが呟く―キラ―
それはあのフリーダムのパイロットなのだとシンは確信した

アスランを此処まで追い詰めたのは『キラ』
『キラ』がアスランを壊している
『キラ』
『キラ』

『キラ』がアスランを…

シンはグッと拳を作り
何かを誓うようにどこかに強い視線を向けていた
自分が助けられるなど、自惚れている訳ではない
助けられるのではない
助けたいのだ
少しでも力になりたいのだ

しかし、アスランが無意識にでも助けを求めているのは『シン』ではない
あの時、名前を呼んだ人物なのだ

「レイ…ジュール…隊長って知ってるか?」

「先の戦争でアスランの同期、ヤキンで戦っていたパイロットの一人でユニウスセブンの破砕作業で一緒だった人だろう…」

「うん…そうなんだけどさ…前にもこんな事があって…
呼んだんだ…ジュール隊長の名前…なんでだろ、って思って」

「……………さぁな、俺には分からん」

「そう、だよな…」

薬が効いてきたのだろうか
いつの間にかアスランからは穏やかな寝息が聞こえ
濡れた瞳は瞼で隠れていた

もしかしたら、目が覚めた後はこの事を覚えていないかもしれない
これはシンがあれから軍医に聞いた知識でもあった
自分を傷つけた前後の記憶が朧気で覚えていない人もいるらしい
それは自分の精神の自己防衛かもしれない、と言われているが
それでも自分に傷を付けたという跡は残ってしまう
記憶があるのとないのではどちらが辛いのかは、シンには分からない
しかし、アスランの性格のような者はそのどちらでも辛いのだろう
と軍医は言っていた

どちらにしても、傷を付けた後に自己嫌悪に陥り
更に自分を痛みつけるかもしれない
悪循環なのだ

だが
それをやめる事が出来ないのも事実
それをとめる事が出来ないのも事実

悲しいがそれが事実
悔しいがそれが現実

今はまだ、出口は見えない








苦しくて
苦しくて
耐えられない程に苦しくて

それなのにまだ
まだ戦えと…

君達は言うのか?

また居場所を失くせと
また何もするなと

でも離れるなと

君達は言うのですか…?